もっくんのブログ

2018年12月29日

こられぇ!ひゃくねんの森林

雪の降りしきるなか あなたは とある村へ引っ越してきた

ひゃくねんの森林 タクシー車内

オオサンショウウオが運転する タクシーに乗って 目的地へ向かっている

「・・・キミ どっから来たんや」

「ここは西粟倉村いうてな 1500人しかおらん小さい村なんよ」

「キミもまだ若いのに こんな山んなか 何しに来たん?」

「・・・」

「へえ 起業ねえ 夢があるなあ」

「最近話題になっとる 『ローカルベンチャー』っちゅーやつかいな」

「・・・」

「雪もやんできたな そろそろ 着くで」

ひゃくねんの森林 工場前

山のふもとにある 工房に到着した

たぬきの社長が 出迎えてくれる

「ここは 『もっくん』て いうんよ」

「ボクと 5人の仲間で 立ち上げた会社や」

「林業と こども向けの木の家具や 遊具やなんかを 作っとる」

「なんで 林業も家具も やっとるかって?」

「それはな ボクらが木を切り出して ボクらの手で 製品を届けたいからや」

「まあ 難しい話は後にして 中に入ろうや」

ひゃくねんの森林 工場内

工房の中に 足を踏み入れる

心地よい ヒノキの薫りがする

「そしたら キミにはここで アルバイトしてもらうわ」

「こども用の家具やからな カドが出んように やすりで丸くしてってな」

「そうそう 上手やないか」

「こんな風に ボクらが切り出してきた木で 良い製品を作って それをこども達に届けるんや」

「こども達が ホンモノの木に 触れられる機会を たくさん作ってあげたいんよな・・・」

「そうや このあと山に行くんやけど 一緒に行こうか」

ひゃくねんの森林 森の中

たぬきの社長に連れられて 山に来た

そこには シカの山主さんがいた

「この山の木はな 私のおじいとおばあが 植えた苗なんよ」

「私がまだ子どものころに おじいが よく話してくれたわ」

「『この苗がおおきくなったら 丸太にして売って お前の嫁入り道具を 買ったらいい』って」

「この山を 受け継ぐことができて 本当に良かった」

「だって おじいとおばあの想いに 応えることができたんやもん」

「ヒノキもスギも こげん立派に育ってくれて とても嬉しいわ」

「今日も 木を切り出してもらっとるけん ちょろっと見に来たんよ」

ひゃくねんの森林 林業機械

谷で くまの山師が チェーンソーを使い 木を切り出している

近くでは 大きな機械が動いている

「あそこに 大きい機械があるじゃろ」

「あれで 木を切り倒して 丸太にしていくんよ」

「ワシらは木を切ってな 山を守っとるんや」

ひゃくねんの森林 山師と木 「この木は これまで50年育ってきた これから まだまだ大きゅうなる」

「こいつが100歳になる頃には 良い材料になっとるで」

「やから これから50年後のために 木を育てとるんじゃ」

「それが 先代から教わったことやからな」

「木を育てるために ワシらは木を切るんじゃ」

「つまり 間伐するっちゅーことやな」

木々と空

そうして たぬきの社長と 山から降りた

「ボクらは ただ木を使いたいから 切るんやない」

「山を育てるために 木を切り出すんや」

「それから 切り出した木を使って 製品を作るんや」

木を切り出す

その意味を知った あとに見る ひゃくねんの森林は どこか違って見える

西粟倉の山は 50年後には どんな姿に なっているだろうか

50年後には どんな人が 山を守っているだろうか

未来が 楽しみだ

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